ようこそ! 株式会社アイビー・ウィー, ゲスト

オープンソースとマルチバイトの壁

英語版のオープンソースを日本語化する場合の大きな壁のひとつは,マルチバイトの対応だろう。

本家がどこまで他言語での運用に配慮して開発してくれるのか,これは日本で普及する場合には,特に配慮しなければならない。

そして本家のコア開発者と友好な関係を築けて相互に情報交換して開発のベクトルを合わせることが重要だ。

それができなければ,日本語版と英語版で本体ソースに大きな修正が必要となり,セキュリティリリースごとに対応しなければならないとなると,日本語版配布に大きな負担になり,やがてしかたなくフォークすることにも繋がる。

世界中の多くの開発者と離れて日本だけで開発していくのは,世界中にユーザをひろげたい多言語対応のCMSの場合には特にリスクが高い。というのも日本人開発者の英語力が総じて海外の各国の開発者より残念ながら低く十分な意思疎通が取れないので,日本のCMSが世界中のユーザをひきつけるには大変な努力が必要だろう。ことばの壁も大きい。

さて,初代Geeklog Japanese管理人のSaYさん(現在管理人メンバ)が2003年6月にGeeklogサイトを開設し,本家のドイツ人開発者ディルクさんに連絡して日本語サポートサイトGeeklog Japaneseとしてオフィシャルになったのは翌月の7月17日だった。

技術評論社のSoftware Design 2006年3月号にGeeklogについて8ページ執筆した。その中のコラムをSaYさんにお願いしたが,Geeklogに決めた理由のひとつに,本家の開発者へメールをすると,実にフレンドリーなメールがすぐに返って来ることだったというようなことを書いていただいた。

実際,わたしもGeeklogのキャラクターを作成してグッズを作成したり,本家のWikiを翻訳したものを含めたGeeklog導入ガイドを執筆するのに何度もディルクさんや他の多くのWiki執筆者等とメール交換をしたが,全員いつも親切なメールが返ってきた。著作権などの確認など,微妙な問題の問合せには,さらにメールの返信はすばやく,すぐに返信しなかったら確認のメールをさらに送ってくるというような親切さだ。本の出版はみんなが喜んでくれて,ドイツ語サイトではひとつの記事で紹介された。ドイツやアメリカ,カナダ,香港,カナダなど,世界中に散らばった10名あまりの執筆者全員に本を送ったが,みんなからお礼のメールが届いた。

ひとりは,日本に友人がいて滞在したことがあるということでしばらくメル友状態だった。ひらがな混じりの英語でメールを送ってもらい,わたしは英語で返す。英語が上手ですね。僕はそんなに上手な日本語は書けない,などと英語ではあったが言われると,かなりいい加減な英語で返しているわたしとしては赤面するばかりだけれど,Geeklogのコア開発者には共通してそういうおもいやりや,他言語への興味や尊敬の念が高いように思う。

Geeklogの開発者は,いろんな国に散らばっている。特にあるドイツ人コア開発者は香港在住で日本語が読めて日本人女性と結婚している。わたしたち日本語の主なコア開発者とはmixiでマイミクで,非常にフレンドリーなコミュニケーションがある。

2004年9月,Ivy SOHOのSEOセミナーを開く中で,CMSが良いと参加者に教えられて急遽選んだのがGeeklogだったが,性能のよさだけでなく,SaYさんの誠実な人柄が記事にあらわれて好感が持てたのも一因だ。

オープンソースは,ひととひととのつながりが生命線だ。Geeklogの良さが,良いユーザを呼び,良い開発者,ひいてはたのしいコミュニティを育む。

オープンソースコミュニティの中心にいるひとたち,その周囲にいるひとたち,その雰囲気がいかにたのしく連携が取れているか,オープンソースを選ぶ場合のひとつの指標になるのではないか。