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[みんなのお題]なぜSOHOスタイルが定着しないのか

総務省が発表している(PDF:テレワーク・SOHOの推進のための施策の実施について)は,よりゆたかなライフスタイルをめざす個々のニーズに対応し、『2010年までに適正な就業環境の下でのテレワーカーが就業者人口の2割』となることを目指しているようだ。

これによると平成17年におけるテレワーク人口は就業者人口比率10.4%、企業におけるテレワーク実施率は、

日本:14.7%
米国:68.9%
韓国:21.2%

どうして日本でテレワーク・SOHOスタイルがこうも広がらないのだろうか。

総務省は、セキュリティの高いネットワークができれば,遠隔地でもテレワークができるということを何億円もかけて実証実験をおこなって研究しているようだが,なぜ日本で欧米などよりテレワーク・SOHOスタイルが普及しないのかは,セキュリティやインフラ整備が諸外国より劣るからでは決してないはずだ。

原因は複合的だと思われるが、ひとつには企業の人事評価は年功序列と会社に居る時間のかけあわせで単純に行われてきたことで、仕事を評価するちから、人物を評価するちからが落ちているからではないか。

成果を的確に評価できるのであれば、テレワーク・SOHOスタイルは問題ない。

さらに言えば、仕事内容を的確に伝える能力も低いように感じる。業務内容を伝えるのに、会って伝えないと不安だというひとが少なくない。クライアントとの折衝やアイデアだしなどでは有効だろうが、決まった業務を下ろしていくのに身振り手振りや正確に聞き取りにくいことばより、文字や図に落とし込んだものをネットで交換したほうがずっと間違いや勘違いも無く、効率が良いだろう。

テレワークあるいはSOHOスタイルで仕事を最も行いたいのは、IT技術者だろう。会社で仕事をするのも自宅で仕事をするのも、ネットで情報が繋がっているのでほとんど業務に支障はない。自宅の方が無駄な連絡業務や移動時間、さらには意味のないだらだらと続きがちな会議を削減できるので却って生産性が上がる。比較的遠隔地に住めるので住宅環境が良くなり、家族とのたのしい時間がふんだんに生まれる理想的なライフスタイルとなる。

実際、わたしの会社は渋谷に本拠地を置いているものの、3名の取締役が東京小金井・大阪豊中・新潟十日町市それぞれSOHOスタイルで働いている。バーチャルオフィスのサービスを利用しており、電話や宅配の転送サービスや時々のクライアントとの打ち合わせに予約して会議室を利用、あるいは自由に立ち寄ってインターネットカフェ代わりに使っている。連携は主に社内SNSだ。電話もほとんど使わない。これでまったく差し支えなく高いモチベーションを維持しつつ業務を遂行できている。

IT企業の場合、極端に一般企業の下請けにつながる受託開発ばかりになって、コスト削減の波により、厳しい状況が生まれているのではないだろうか。情報産業は、サービス業であっても、一方的にクライアントのわがままにつきあうスタイルを脱却し、Googleやmixiのように、自らサービスを開発して提供し、使ってもらう側にまわれば立場は一転するはずだ。そのようなサービスを行う企業は日本ではまだまだ少ない。

自身の会社も受託開発を抜け切れていないものの、オープンソースを利用することにより、最小限のカスタマイズ開発でシステムを提供している。オープンソースの利用により、将来的には完全に受託開発を脱却したいものだが。

日本SOHO協会主催のSOHO DAY 2007では、はじめてSOHO代表者会議が開催され、全国から約30名のSOHOリーダ、研究者、地方自治体のSOHO担当等が集まり、真剣な議論があった。

その会議を機に、SOHOとは何か、SOHOはどうあるべきか、SOHOへの支援はどうあるべきか、真剣に議論する日本SOHO協会SNSが生まれた。

その中で、現在様々な議論が熱く交わされているので興味がある方は参加して欲しい。

また,なぜSOHOスタイルが定着しないのか,ここで聞いてみたい。

※筆者は日本SOHO協会SNSの設置と運営に関わっている。