なぜGeeklogを選んだのか

  • 2009/10/31 21:54 JST

そもそもなぜわたしがGeeklogを選んだのか,それはかなり直感的にこれはいいとぐっとくるものがあったからだ。当時日本で全盛のCMSがすでにあっのだが,それをふりきるようにGeeklogを選んだ。

2004年の夏,毎月開催していたセミナーの参加者からCMSという便利なものがあると聞いてはじめて調べたのがオープンソースのCMS。いろいろなCMSがあるなかで,管理操作がスマートで軽快。ソースを見てもとてもきれいでハックしやすいGeeklogを選んだ。

日本語化は不完全なものだったが,管理画面の出来はオープンソースCMSの要だ。

非常に運用者にやさしいわかりやすく直感的な操作環境を提供してくれるその開発姿勢にひかれた。

日本語公式サイトがあって,初代リーダーのSaYさんの記事から,その人柄にも好感を覚えて,神聖視さえしたほどだ。

2006年にはじめて技術評論社のSoftwareDesign 3月号にGeeklogを紹介する記事を書いた。そのとき,SaYさんがなぜGeeklogを選んだのか,SaYさんの文章もあわせて掲載した。SaYさんは,2003年当時,海外のCMSをいろいろ探していてSaYさんなりの直感があってGeeklogを選んだはずだが,本家のDirkさんたちとのやりとりが大変あたたかくて気持ちのよいものだったからさらに間違いないと思ったという。

こういったかたちでひとがひとを呼んで,さらにひとの輪を大きくするのがオープンソースの醍醐味だと思う。

ビジネスになるからそのオープンソースを選んだのではなく,そのオープンソース自体に惹かれて,そしてその開発者と出会って,やはりそのオープンソースを生み出しただけのことはある,すばらしい人材だと感嘆し,こころからそのオープンソースを応援し,そしてまわりにひろげていく。

Geeklogを選んだひとが困ってサポート掲示板になにかを書き込んだら,どんな書き込みに対してもだれもが親切で丁寧に対応している。参加して間もない参加者なのに,すでにまたさらに初心者に対して同じように親切にサポートをしていただけている。

ひとりの質問に対して,何人もがいろいろと解決策を提案したり,それを解決するためのプログラムを開発したり・・・。

Geeklog公式サイトの参加者は2000人だが,SNSもそれに近い参加者がある。SNSの日記やコミュニティでも,そういったやりとりが日常的にみられる。

ビジネスになるからという理由だけで選んだひとはいない。いや,まずいないはずだ。 だからGeeklogのコミュニティは荒れないのかもしれない。

Geeklogは高機能なのに,非常に軽い。テーマエディタもあるので,テンプレートやスタイルシートの編集も管理画面で簡単にできる。CSS2.0で最初からつくられたテーマがあるのでひとつのスタイルシートを変更するだけでテーマをがらりと変えられる。

レイアウトも非常に柔軟で,どんなレイアウトも可能だ。 

そうだ,デザイナーのこころをつかもう! そんなおもいできょう,Geeklog公式サイトのテーマを変えてみた。

今回のテーマのポイントは,dengenさんのナビゲーションプラグイン。サイトにいくつでも多階層メニューを入れられて,パンくずリストも設置できる。

mystral-kkさんのTwitterプラグインも入れている。管理者ならだれでもつぶやける。Geeklogの開発者たちの生の声がGeeklogJPをフォローするだけですぐに聞ける。

アデリープランニング株式会社提供のデザインを元に少々アレンジ。 コーディングは株式会社アイビー・ウィー。そしてGeeklogの多くのなかまに助けられたことに感謝します。

 

オープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Fallが終って

  • 2009/10/31 20:53 JST

2日間にわたるオープンソースカンファレンス2009 Tokyo/Fallが終った。

両日とも1,000人近い来場者で,さすが東京だけあって地域開催のオープンソースカンファレンスとくらべて断然多い。

多いが,これだけたくさんのオープンソースが集うイベントにしては,注目度がまだまだ低いように感じる。

オープンソース側の情報発信力が,まだまだ追いついていないのもある。内部のMLでさまざまに議論されているようなことも,もっとオープンにしたほうが良いだろうし, 参加者がそれぞれに,自然に情報を公開できるようなしくみづくりにも取り掛かってよいだろう。

この景気で,オープンソースを研究せざるを得ない企業も増えてきているのは確かで,そういう理由での初参加者にも出会った。

だが,これだけ多くのオープンソースを間近で見たり,セミナーをひとつふたつ受講しても,なかなかそのオープンソースはわかるとは思えない。

オープンソースといえども,規模も出来もまるで違う。

たまたま出会ったオープンソースのなかから,さらにどれを使えばよいのか,多くのひとたちは手探りの状態なのではないだろうか。

そういうときの指針になるようなサイトとしてOSS Japanも企画したわけだけれど。

そんな疑問をもちながら初日を終えたのだが,2日目のきょう,Geeklogグループのコミュニティサイトで利用しているOSSのMyNETSを開発しているusagiグループに参加することになったメンバーと名刺交換したところ,わたしの名前を知っているという。

なぜなのか聞いたら,前職の上司から,「CMSを選ぶなら絶対Geeklogだ。OSCイベントで,Geeklogを熱く語っていたから間違いない」と,強く押してくれたんだそうだ。

いろいろと無力感を覚えて迷いがあったのが,そのひとことで一気に消えた。

そうなんだ,こちらの思いはやはりちゃんと届いているんだ,とわかり,2日目は気合を入れて対応できた。これからもがんばろう・・・
 

 
きょうのGeeklogブーススタッフ。

本家にフィードバックしやすくする方法

  • 2009/10/31 14:35 JST

Geeklog日本ユーザー会では,ユーザーからたくさんのフィードバックを受けて,さらにコア開発者も独自の開発を行い,本家へフィードバックできるようになった。

元々コミュニティがユーザーにやさしいコミュニティなので,自然とフィードバックを受けやすい環境があったのだが,それだけでは本家へのフィードバックは行えない。

昨年夏,日本語版の開発体制がSubversionに大きく舵を切り,開発者の意識を高めて,そういったシステムに日本語の環境でまず,慣れたことが本当に大きかったと思う。

最初は,開発方針の転換で抵抗感もあったものの,慣れてみればこんなに便利なものはない。

そうやって日本語環境で慣れてこそ,本家はMercurial(※)だが,それほどシステム的に差異は無く,抵抗感もなく英語でフィードバックできるようになった。

日本ユーザー会のコミュニティ内で意見調整したうえでフィードバックを行うことで,情報が整理されて,日本からのフィードバックが全体にスムーズに受け入れられるようになった感がある。

翻訳を協力し合ったり,コメントフォローをしあったり,コードを直接フィードバックしたり,・・・

本体の実行速度を高めるプログラムやサイトマッププラグインといった本体に取り込まれるプログラムまでフィードバックされた。

オープンソースをただ利用するだけでなく,フィードバックして,その開発に直接関わってさらに使いやすいものにしていくことができている。

本家に直接孤軍奮闘でフィードバックしていくのはすぐに息切れするだろうが,こうやって2000人の仲間がバックにいて,そしてすぐ応援してくれる何十人何百人かの仲間がいて,・・・,だからこそだれもが息切れすることなく,続けていられるのだと思う。

※ 当初CVSと紹介していましたが,ただしくはMercurialでしたので修正しました。参考URL (2009.11.7訂正)

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