GeeklogをわざわざASPサービスでレンサバ会社が提供しない理由

  • 2009/06/23 16:46 JST

GeeklogをASPサービスでレンサバ会社に提供していただくことを一時期もくろんでいましたが,早々にあきらめました。

というのは,Geeklogは,汎用CMSの中でも,非常に高機能なことを組み立てられるプラモデルであり,簡単にきせかえ人形であそぶ(テーマ変更であそぶ)というようなデザイン的要求だけに留まらないからです。

テーマ変更であそばせるだけでセキュリティ的にあぶないことをさせない,安全なサービスなら,わざわざGeeklogを選ばなくてもよさそうです。

Geeklogを使いたいユーザーはヘビーユーザーなので,サーバー会社としては,どれだけメルマガを発行されるのだろうか,とか,どれだけGeeklogの擬似cronを使われるのだろうか,どれだけ自動生成コンテンツなどでリソースを使われるだろうか,というような心配,PHPを駆使していろいろ構築できたり,セキュリティ的にどう守るか,など,心配も大きいように思います。

一時期,サーバー会社がインストールサービスを提供して,CMSを自動インストールするサービスがはやりましたが,これも,古いセキュリティ的に問題のあるバージョンを,いつまでも提供してしまうことになって,本当にユーザーのためにはなっていませんでした。

実際,セキュリティホールになって,そのサイトを閉鎖させたり,サーバー会社の対応は大変だったと思います。

今では,Windows対応の自動インストーラがあるので,どんなCMSも簡単にどんなサーバーにでも入れられるようになってきているので,本当に使いたいサーバーを選んで,インストールすれば良いようになっています。

これで,だれもが安心して最新のバージョンで,サイトを思いのままに構築できるようになったわけです。

Geeklogは,今回の1.6.0に対して,日本語開発チームが多くの貢献をしました。表示の高速化からコアプラグインの提供,ドキュメント,テンプレートのデバッグなど等。テンプレートのデバッグはつい最近わたしがテーマを開発している際に見つけたものです。

コアの開発に貢献し,こちらの意見も取り入れてもらい,本家開発者の動向を安心して見守っていられる状況です。

ナビゲーションプラグインも日本語コアチームが開発して本家にまでフィードバックして,多階層メニューとパンくずリストに対応しました。

最近では,XMLを取り込んで表示するFlashコンテンツを生成するオープンソースでもあるOpenLaszloの日本語開発チームのリーダと組んで,フィードを表示するなど,他のOSSとも連携していろいろと開発を行っています。メディアギャラリプラグインから自動的に吐き出されるXMLを利用すると,画像を利用したFlashの動的コンテンツも可能になるので,用途はさらに広がると,期待しています。

1.5から,すでに多言語サイトが本格的に構築できるようになっています。

1.6では,Google Summer Codeの開発によるプラグインを圧縮ファイルを指定するだけの簡単なインストールや,コメントの承認機能が追加されました。今年のGoogle Summer Codeの成果も,いまから楽しみです。

このように,内部までわかって,セキュリティ的にも安心して利用でき,本家とのコミュニケーションがよくて将来も安心して利用できる見通しが立っているCMSだからこそ,クライアントに提供できます。

これで,個人の趣味に留まらず,ビジネス活用まで安心して展開できる環境になったように思います。

Geeklogの中だけにいると,Geeklogがいったいどういう特徴をもっているのかを見失いがちですが,他の様々なCMSに触れることによってようやく掴めてきたところです。

7月1日,2日は,OpenSource World 2009(主催 株式会社IDGジャパン).orgパビリオン(主催 NTTコムウェア)に出展します。2日は特にCMSセッションを行い,WordPressやDrupalなど数多くのCMSを開発しているスピーカーに集まっていただき,それぞれの特性や今後の開発の可能性などを感じていただきたいと思っていますので,どうぞご参加ください。

7月2日 15:30-17:00CMSパネルディスカッション
テーマ「CMS最新事情~ここ1年で大きく変わったCMS模様!」
コーディネータ 今駒哲子(OSS Japan)
参加OSS
* concrete5 汎用CMS
* Drupal 汎用CMS
* eZ Publish 汎用CMS
* Geeklog 汎用CMS
* Joomla 汎用CMS
* Magento eコマース
* MODx 汎用CMS
* Plone 汎用CMS
* TYPO3 汎用CMS
* WordPress 汎用CMS(Blog・SNS)

ここ1年で大きく変わったCMS模様

  • 2009/06/11 09:20 JST

昨年夏,Linux World2008の.orgパビリオン(NTTコムウェア主催)のCMSパネルディスカッションに,多くのCMSが参加して以後,ここ1年でCMSやそれをとりまく環境は大きく変わってきたように思う。

ことしは Linux Worldから,OpenSource World2009と名称を改め,会場をビッグサイトから東京国際フォーラムへ会場を移して,3日間のところを2日間に縮小して,7月1日から2日にかけて開催する。

OSSは,バブリーなIT事業とは違ってざくざくと収益があがるものではなく,この不況下では妥当な規模になったのではないかと勝手に想像したりしているが,OpenSource事業はどの会社も極めて堅実に運営されているようだ。

CMSは, OSSの中でもビジネス化しやすい分野で新規参入も極めて多い。ことしのCMSパネルディスカッションは,昨年とは大きく変わる顔ぶれとなる予定だ。

CMSパネルディスカッション

CMSパネルディスカッション
~ここ1年で大きく変わったCMS模様(仮)~
日時 2009年7月2日 15:30-17:00
会場 東京国際フォーラム 展示ホール .orgパビリオン
主催 NTTコムウェア
パネラー出演費用 無料
※セミナー・ブースの出展も無料。ただいまブース出展者も募集中です。

ここ1年でWordPressはSNS機能の拡張など,大きな変化があった。まだ日本ユーザ会としてのまとまりはみられないものの,個別の勉強会も立ち上がり,個人での研究はかなり進んでいるようだ。Drupalも大手ベンダーが採用し始めてきて,その情報が少しずつ公開されてきている。concrete5やeZ Publishのような新しいCMSや国産CMSも現れてきた。その他のおなじみのCMSもそれぞれに技術的進歩がめざましく,ますますつかえるCMSになってきたようだ。

Geeklogコミュニティには,concrete5(汎用CMS)やMyNETS(SNS),OpenLaszlo(Flash)のリーダやコア開発者が参加し,お互いに技術協力が盛んだ。 最近ではconcrete5に携帯ハックのソースをGeeklog開発者が提供したり,また,逆にconcrete5のあたらしい機能を参考にして議論が進むなど,相互交流が行われている。

コミュニティになぜこだわるのか,だが,日本人開発者にとって英語の壁はあまりにも大きい。本家にフィードバックがなかなか思うようにいかない。それをコミュニティでまず日本側の意見調整をして,フィードバックを複数の開発者で連携して行うことによって,徐々に本家に日本での利用をスムーズにできるような方向性をあたえることができる。

Geeklogはバージョン1.6になって,日本人開発者が表示の高速化やサイトマッププラグインをコアプラグインとして提供するなど,本体の開発に貢献できるようになってきた。

また,こういう動きは,ひとつのCMS内だけではなく,多くのOSSやOSSを超えて技術交流を行ってこそだと思う。

日本は利用するだけ利用するが,フィードバックをまるで行わないOSS後進国,というレッテルを,ぜひともこういったコミュニティ交流で改善していくべきだろう。

そのため,個別のセミナーを開くだけではなく,こういったセッションが必要になっている。

ことしの顔ぶれは現在のところ7グループ。

  • ek-MyWEB
  • eZ Publish
  • Geeklog
  • Joomla
  • MODx
  • Plone
  • TYPO3
    (ABC順)

イベントの案内,お申し込みは,OpenSource World 2009(OSS Japan)へ。

または,直接OSPN  SNSのイベントコーナーで参加表明を!

SOHOや障がい者をだます悪徳SOHOビジネス(2)

  • 2009/05/26 18:47 JST

SOHOや障がい者がだまされやすいと前回のブログで書いたが,SOHOはSOHOでも,SOHOになりたい自称SOHO,特に社会人経験の少ない主婦層に被害が多いように感じる。ひとりの主婦が何度もだまされたというような話まで聞く。多くは家族にも話さず,無き寝入りだろう。

障がい者も,在宅で仕事をして少しでも自立したいと切実に考えている。わらをもつかむ思いを巧みにだまして教材を売りつけるなど。

どうしてこのようなことが,永年放置されてきているのかまったくわからない。

悪徳業者は,巻き上げたお金を週刊誌や新聞への広告やホームページ制作に費やし,ますます栄えている。

悪徳業者かどうかは,インターネット上で,「悪徳 会社名」で検索すれば,その会社のうわさですぐに判断できる。

わからなくても,会費をとるかどうかで簡単に判断がつく。会費を取る対象が不特定多数でなりふりかまわない様子が少しでも見えたら,もう,間違いなく悪徳だ。

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