OSPN SNSにみる失敗しないSNS運営

  • 2007/11/20 12:57 JST

SNSの運営で失敗するのはたいてい次のような理由だ。

  1. 運営SNSのテーマに魅力がない。
  2. ターゲット層のITスキルが低い。
  3. 中心となる運営者がネット人脈を持たない。
  4. 運営者が居心地の良いSNSの設計をしていない。

OSPNは,オープンソースイベントで全国を年6~7回のペースで開催するオープンソースではもっともユーザが集まるコミュニティだ。ユーザグループはこれまでほとんどのオープンソースコミュニティの連絡手段であるメーリングリストでのみ交流してきたが,それではコミュニケーションにも限界があるのでSNSを提案してOSPN SNS(http://ospn.jp)を新設した。昨日ブログで紹介して昨日の登録者数は35名,現在の登録者総数はメーリングリストへの告知もあって 135名。最終的に数千人から数万人規模のコミュニティに育って欲しい。

現在のOSPN SNS(http://ospn.jp)

OSPNに参加している層は,元々コンピュータ操作が得意な層だ。総合的なオープンソース交流の場としての必要性は高く,参加者のITスキルは十分で,ネットワークはリアルもオンラインも十分にある。あとは,いかに運営者が参加者に対して居心地の良いSNSを提供できるかだ。

デザイン
まず一番にデザインだ。OpenPNEをインストールしてそのままのデザインで放置して集客できるわけが無い。コミュニティにふさわしく,このサイトに毎日来たいと思わせるようなデザインでありたい。あまりゴテゴテせず,シンプルなほうが良い。SNSは内部コミュニケーションサイトなので,外向けの情報発信サイトは別に設置して,性格をはっきりと切り分けると参加者は迷わない。すべてをSNSでやろうとは思わないことだ。

プロフィール
プロフィール項目は,mixiなど用意されたSNSに参加するのではなく,自身で設計する場合にはコミュニティカテゴリ同様,自由に設定できる項目なのでぜひカスタマイズしたい。ここもデフォルトのままでは効果半減だ。OSPN SNSでは,特にオープンソースコミュニティの運営・参加状況,OSCへの出展・参加状況を追加している。MixiのURLも掲載して,さらに相互に連携するためのプロフィール項目を用意した。お互いに,はじめてのコミュニティにおける交流で,どんな活動をしているのか不安でも,プロフィールを見るだけでわかるので安心だ。メーリングリストにはだれにメールがわたっているのかもわからないし,プロフィールページという概念がないので発言者はどんなひとなのかもよくわからないので不安だが,SNSでは常時確認できる。

コミュニティカテゴリ
コミュニティガテゴリは必ず変更したいところだ。デフォルトでカテゴリが用意されているが,ほとんど活用されないようなカテゴリは一切削ってしまうことだ。OSPN SNSでは,大きく,主催者側が設置するOSPNカテゴリ,オープンソースコミュが自由参加するカテゴリ,オープンソース交流のためのカテゴリ,OSPN 運営者専用の非公開用のカテゴリのおおきく4つを設置した。特に,オープンソースというカテゴリの中に,Wikipediaのオープンソース項目にならって,細かくカテゴリを設置した。その中に,様々なオープンソースコミュニティが生まれていくことを願っている。また,オープンソースの相互交流のためのカテゴリや地域での交流の場のためのカテゴリも設置した。運営者グループだけの非公開コミュニティやOSPN出展者専用コミュニティ,全員が参加してSNS の運用をかんがえるコミュニティなどもある。
こうしていろいろな参加者の声を聞きながらみんなで良くしていこうという機運を高めることができれば成功だ。

コミュニティ
コミュニティは,作ったら必ずコミュニティアイコンを設置しよう。それがシンボルマークになる。まずマイフレンドに紹介して参加してもらい,副管理者を任命して複数体制で運営することだ。主催者側で設置するコミュニティは,特別なidであるid1はメールアドレスとパスワードを共有し,運営グループ共有のアカウントとして共同運営する。また,最初に,こんなスレッドは立つだろう,あるいは立って欲しいと思われるものは,あらかじめ運営者が立てておくと,参加者も安心してコメントしていける。

日記
日記は運営者グループがまず最初にこまめに書いていこう。日記にはお互いにレスをつけあう。そうやって,はじめての参加者は,どんなひとが運営しているのか,日記はどのように書けばよいのか自然にわかる。日記には,困ったことがあればそれも素直に書けばよい。だれかが解決方法をコメントしてくれるだろう。そうやって助け合いの雰囲気をSNS全体に広げていくことだ。

SNSの活動指標として何人参加しているかは大した問題ではない。どれだけ個々にそのSNSが必要として参加しているかだ。SNSがはじめてのひとも,使い慣れているひとたちの動きをみながら徐々に慣れていく。みんなで運営をかんがえるコミュニティで,どんどん意見を出していってもらい,それを吸い上げながら改善していき,居心地の良いSNSを構築していけばよい。意見を吸い上げる場を十分に用意していくことが肝心だ。あとはどんどん個々に盛り上がっていくのをただ見守り,ひとりの参加者としてたのしく参加していくだけだ。

オープンソースのOSC「OSPN SNS」始動!

  • 2007/11/19 00:28 JST

OSCで有名な,日本で一番大きなオープンソースユーザグループOSPNがとうとうSNSを手に入れた!

オープンソースに関心のあるかたはぜひ参加してほしい。だれでも新規登録して参加できる。

オープンソースカンファレンスを全国で開催しているOSPN(Open Source People Network)には,全国から多くのオープンソース開発者があつまっている。各イベントでは,たくさんのオープンソースが出展してセミナーも盛況だ。にも関わらず,満足なWEBがまだ無い。コミュニケーションはもっぱらメーリングリストだけなので,サイトに映像コンテンツがほとんど溜まっていかない。

そのため,メーリングリストをSNSに切り替えようと先日メーリングリストで提案し,同時にこのブログでも「オープンソースコミュ運営はSNS活用と共同管理体制で」を書いていた。

結果,メーリングリストはそのまま残すことにはなったが,昨年秋にびぎねっとによりOpenPNEを導入してSNSを設置したまま放置されていたのが今回バージョンアップされ,それを受けてデザインと構成のリニューアルを手伝ってようやく準備が整った。

OSPN はびぎねっとという一企業がはじめたもので,全国をオープンソースセミナーでまわってみたいというひとりの願いから生まれ,多くはそのひとりの動きによってささえられてきたものだが,本人の予想を超えて随分大きな動きになってきたのだという。だが,ひとつの企業のビジネスモデルとしての域を出ないのではもったいない。

もっとビジネスとしてオープンソースを 紹介するイベントを東京にもっと大掛かりに開くための枠組みとスポンサーがいれば良いのだが。

ともかく,OSPN SNSは,全国のオープンソース開発者や利用者に参加してほしい。いろんなジャンルのオープンソースが参加して,お互いに情報交換も可能だ。特にオープンソースはWikipediaのオープンソースの項目を参考にしてカテゴリー分けを行った。これからどんどんオープンソースのコミュニティがここに参加したり,この場で誕生していって欲しい。

オープンソースは全体的な動きに結集しようとする動きがなかなか出てこない。経済産業省が情報処理推進機構(IPA)内に設置した,オープンソースソフトウェアの普及を推進する組織であるオープンソースソフトウェア・センターにしても,オープンソースのデータベース化の手法は手ぬるい感じだし,オープンソースソフトウェアコミュニティ育成や民間の行うオープンソースイベント助成などにはまったく興味がなさそうだ。

Wikipediaのオープンソースのページには,なんとCMSのWiki以外の項目がそっくり抜けていたほど不完全で,あわててCMSの関係項目は追記したが,まだまだヌケがありそうだ。 Wikipediaは,基本的に関係者が書けないしくみなので,そうではなくオープンソースを中心になって運営しているひとたち自らつくるオープンソースのデータベースとWikiサイトをしかるべきドメインでつくってみたいものだ。

あとは検索システムの開発と運営費用をどう捻出するかだ。

 

[みんなの回答]誤解されるSOHO

  • 2007/11/18 05:13 JST

SOHOへの仕事がなかなか回ってこないのでSOHOとして自活するのが困難。そのためSOHOスタイルがひろがらない、という理由もかなり大きいはずだ。

企業側からみて、SOHOに仕事を出したことがあるが、レベルが低くてSOHOに出したくない、という声もあるようだが、そもそもSOHOは玉石混交で,いろいろなレベルのSOHOがいるのは当然だ。

パソコンを使えて、何かしら仕事をしたい人ならだれでも「わたしはSOHOです」と宣言すれば、だれでもSOHOになれる。

企業が良いSOHOを捕まえる技術をもっていないだけなのではないか。

「わたしはミュージシャンだ」というひとがいて、ある企業が作品をつくってもらいたくて、適当に選んで作ってもらったところ、たいしたできばえにならなかった。だからミュージシャンはレベルが低い、という論理とまったく変わらない。

SOHOの応募のメール,SOHOが開設しているホームページ,できれば他からのそのSOHOの評価などを広くWEBから探すなど、そういった努力を行えば実力はほぼ確実につかめるはずなのだ。

まず、メール。署名やアカウント名がビジネスメールとして完璧ならまず間違いない。1,2度メールのやり取りや仕様の確認、テスト納品まで行ってもらって問題なければすこしずつ依頼して、SOHOの能力を計り、お互いの信頼関係を築けばよい。

受発注のしくみに、フォームメールで申込み、フォームメールで応募するしくみがあるが、フォームメールでは本人のメールのマナーがどうなのかよく把握できない。メールのマナーが第一の足きりになるので、これで応募が多数でもかなりふるいおとせるのだ。わたしが1998年から立ち上げているSOHO支援サイトであるIvy SOHOでは当初から応募をメールに限っており,フォーム形式にしなかったのはこのためだった。

SOHOというイメージをあげたいので、正式にSOHOと名乗れるための認定制度を設ければよい、という意見もあるようだが,だれが認定するのか,もししているとしたら営利目的で認定事業をしているのではないか,もし国がするのなら我々SOHOよりずっと技術的に遅れているだろう国に認定されて良いのか,認定制度に関わる職員を養うためにまた高い費用がSOHOの負担になるのではないか,など,これも解決方法としてどうなのか,というのがある。

情報処理試験というのがむかしあったが,とっくに終っているはずのCOBOLやFORTRUNをこの試験のために,勉強しなければならなかった。

情報処理試験の勉強ができるほど暇な開発者は,現場ではあまり能力がなく,暇だからできるのかも,というような状態になって,あてにできない。

結局、能力を判断する技術を雇う側が身に付けるのが一番はやいのだ。

そしてSOHOはSOHO支援サイトのSOHOデータベースをたよらずに,自らホームページを開設して直接発注元がら受注するしくみをつくるほうがよほど成功への近道となるだろう。

Ivy SOHOで早くからSEOセミナーそしてCMSであるGeeklogのセミナーを行ってきたのはそういう理由もあった。

SOHOとして独立したいのなら一刻もはやく、独自ドメインでホームページを開設することだ。そして、これからホームページをつくるのなら、RSSフィードを自由に作成できてコンテンツの作成が簡単なオープンソースCMSを活用して欲しい。

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