[みんなのお題]個人情報保護法で誰が得をしたのか

  • 2007/11/08 00:14 JST

個人情報保護法によって,いったい誰が得をしたのだろう。

プライバシーマーク制度(Pマーク)を儲けて認定事業を増やしたことで,(財)日本情報処理開発協会のプライバシーマーク推進センターだけは確実に潤ったはずだが,民間のだれが得をしただろう。

学校から連絡網がなくなり,SOHOが仕事を請けようとするといろいろ小難しい契約を行ったり最悪契約できなくなったり,同窓会が名簿を出せなくなったり,わたしたちにとって良いことはひとつも見当たらない。

Pマークを取得している大企業の情報漏えいも相変わらずで,かえって我々安心したネットワークを築いているSOHO事業者に発注した方が一時アルバイトも雇わないし,信頼できる作業者のみで作業するのでよほど安全なのではないかとも思える。

それでも見直そう,廃止しよう,そんな議論はこれっぽっちも出てこない。

まるで認定事業による雇用を守るためにそっとなりをひそめて批判の声をやり過ごそうとしているとしか思えないがどうだろうか。

見直しは,どこかで始まっているのだろうか。

オープンソースとマルチバイトの壁

  • 2007/11/07 03:25 JST

英語版のオープンソースを日本語化する場合の大きな壁のひとつは,マルチバイトの対応だろう。

本家がどこまで他言語での運用に配慮して開発してくれるのか,これは日本で普及する場合には,特に配慮しなければならない。

そして本家のコア開発者と友好な関係を築けて相互に情報交換して開発のベクトルを合わせることが重要だ。

それができなければ,日本語版と英語版で本体ソースに大きな修正が必要となり,セキュリティリリースごとに対応しなければならないとなると,日本語版配布に大きな負担になり,やがてしかたなくフォークすることにも繋がる。

世界中の多くの開発者と離れて日本だけで開発していくのは,世界中にユーザをひろげたい多言語対応のCMSの場合には特にリスクが高い。というのも日本人開発者の英語力が総じて海外の各国の開発者より残念ながら低く十分な意思疎通が取れないので,日本のCMSが世界中のユーザをひきつけるには大変な努力が必要だろう。ことばの壁も大きい。

さて,初代Geeklog Japanese管理人のSaYさん(現在管理人メンバ)が2003年6月にGeeklogサイトを開設し,本家のドイツ人開発者ディルクさんに連絡して日本語サポートサイトGeeklog Japaneseとしてオフィシャルになったのは翌月の7月17日だった。

技術評論社のSoftware Design 2006年3月号にGeeklogについて8ページ執筆した。その中のコラムをSaYさんにお願いしたが,Geeklogに決めた理由のひとつに,本家の開発者へメールをすると,実にフレンドリーなメールがすぐに返って来ることだったというようなことを書いていただいた。

実際,わたしもGeeklogのキャラクターを作成してグッズを作成したり,本家のWikiを翻訳したものを含めたGeeklog導入ガイドを執筆するのに何度もディルクさんや他の多くのWiki執筆者等とメール交換をしたが,全員いつも親切なメールが返ってきた。著作権などの確認など,微妙な問題の問合せには,さらにメールの返信はすばやく,すぐに返信しなかったら確認のメールをさらに送ってくるというような親切さだ。本の出版はみんなが喜んでくれて,ドイツ語サイトではひとつの記事で紹介された。ドイツやアメリカ,カナダ,香港,カナダなど,世界中に散らばった10名あまりの執筆者全員に本を送ったが,みんなからお礼のメールが届いた。

ひとりは,日本に友人がいて滞在したことがあるということでしばらくメル友状態だった。ひらがな混じりの英語でメールを送ってもらい,わたしは英語で返す。英語が上手ですね。僕はそんなに上手な日本語は書けない,などと英語ではあったが言われると,かなりいい加減な英語で返しているわたしとしては赤面するばかりだけれど,Geeklogのコア開発者には共通してそういうおもいやりや,他言語への興味や尊敬の念が高いように思う。

Geeklogの開発者は,いろんな国に散らばっている。特にあるドイツ人コア開発者は香港在住で日本語が読めて日本人女性と結婚している。わたしたち日本語の主なコア開発者とはmixiでマイミクで,非常にフレンドリーなコミュニケーションがある。

2004年9月,Ivy SOHOのSEOセミナーを開く中で,CMSが良いと参加者に教えられて急遽選んだのがGeeklogだったが,性能のよさだけでなく,SaYさんの誠実な人柄が記事にあらわれて好感が持てたのも一因だ。

オープンソースは,ひととひととのつながりが生命線だ。Geeklogの良さが,良いユーザを呼び,良い開発者,ひいてはたのしいコミュニティを育む。

オープンソースコミュニティの中心にいるひとたち,その周囲にいるひとたち,その雰囲気がいかにたのしく連携が取れているか,オープンソースを選ぶ場合のひとつの指標になるのではないか。

身近になった様々なオープンソースを活用しよう

  • 2007/11/05 16:52 JST

回りを見渡せばすでに多くのオープンソースに囲まれている。パソコンだけでなく電化製品や自動車など身近なところまで及んでいるが,パソコンにおいて開発者レベルでなくて一般ユーザでも十分つかえるソフトウェアが出てきた。

それらは今や商用より性能が良いものが少なくない。

WEBブラウザはIEよりFirefoxがすでに性能良く,メーラもThunderbirdが便利。OpenOffice.orgはMicrosoft Officeと高い相互運用性を備えて,ワープロや表計算・プレゼンツールなどを統合したオフィスソフトだ。使い勝手があともう一歩というところまで来て,なんとか使える時代になった。

オープンソースはエコロジーをソフトウェアの世界でも実現している。

これまで,個々の企業で個別に同じような機能のソフトウェアを開発してきた。開発費用はクライアント企業からいただくわけでそれを使い回ししているのはあまり公表できるものでもない。基本的には一回開発したらそれっきりで,あらたにまた開発していくというルーチンを繰り返してきた。同じ企業内にいても,そういった開発データベースが共有されていない場合さえあるし,その会社を退職すればその資産は個人では引き継げない。企業内のその開発グループが解散すれば,過去の遺産はだれからも見直されることは無く,捨てられる。

それが,オープンソースを活用することで,開発したものを無駄にせず万人で共有し,みんなでよいものにして足りないところや追加したいところだけを開発すれば良いので,開発労力の無駄がない。ソフトウェアにバグはつき物だ。それを多くの目にさらすことにより,より安心なものになるし,多くのユーザの声によって性能が高まる。

商用ソフトやフリーソフトは実行形式のファイルは手に入るが,ソースコードは多くの場合手に入らないので,誤作動したときや改善したい場合には非常に面倒だが,オープンソースであれば自分の手ですぐに直すこともできるし,それを配布元に報告して本体で修正してもらうこともできる。

このように,オープンソースにおいては世界中に散らばっている開発労力を無駄なくインターネットを通じて結集し,留まることなく機能・性能が向上しているので,商用ソフトウェアのレベルを超えるのはわけもないことなのだ。

そのようにつかえるオープンソースがあるのに,ウェブ構築においても使わない手は無い。

以前は商用CMSといえば,何百万も何千万も,それ以上だったかもしれないほど高額なシステムだったのに,いまやオープンソースでそれらの性能をはるかに超えたものがいくつも配布されているのだ。

WEBでよく使われるCMSは,MediaWikiのコンテンツマネージメントシステム(CMS)の項に詳しい。

汎用CMS:
システムの拡張性がある汎用CMSならGeeklog等がある。Geeklogなら携帯用サイトも同時設置できて直感的操作。多言語サイトも可能で,メールマガジンや各種投稿機能など,ポータルサイトの機能をはじめから備えている。開発や管理・運用が楽なので,このブログでは一貫して推奨している。

ブログ:
ブログならブログの機能を持つ汎用CMSのGeeklogか,あるいはブログだけで拡張不要ならお手軽なWordPressがある。

ウィキ:
ドキュメントを履歴も残しながら残していきたいのならなんといってもウィキで,Wikipediaを構築するために開発されたMediaWikiは特に秀逸だ。Geeklog Wikiでも利用している。最近大学でWikiだけのインストールを依頼されるようになった。大学で学部別にWikiを管理して研究成果をためていくとものすごい財産になるはずだ。今年になって,MediaWikiの導入ガイドも出版されたので,ようやく安心してインストールできるようになったのではないか。Geeklog Wikiでも活用している。

SNS:
ソーシャルネットワークの波は留まるところを知らない。本もたくさん出版され多くの注目を集めている。SNSは究極のコミュニティ手段だ。SNSならOpenPNEが最も有名で,大変多くの利用例がある。SNSを使ええるのか使えないのかでコミュニケーションの幅がまるで違ってくるので,年配であっても,おそれずどんどんSNSで交流を深めていただきたい。メーリングリストも,できるだけSNSに移行できるのならしたほうが良い。業務日誌の交換など社内での情報交流もいまではメーリングリストやグループウェアなどよりずっとSNSのほうに分があるように思う。Geeklog.jp SNSでも活用している。

Commerce:
CommerceならZen CARTなどがあり,汎用CMSにプラグイン(モジュール)として取り込まれて活用されることも多い。Zen CART on Geeklogというかたちで,Geeklogサイトでも活用できており,現在数サイト複数開発中だが,カード決済まで十分実用に耐えうる。

このように,CMSにおいてもオープンソースは,用途に応じて最適なものを選べばよい。

また,選ぶなら配布元のサイトを見て,サポートがしっかりと機能しているかを確認してみよう。良いオープンソースには,良い開発者が自然とあつまるものだ。導入ガイドが出版されているとさらに安心して利用できるので探してみよう。

オープンソースを導入したら,オープンソースは永遠に進化し続けるものなので,長い付き合いになる。
コミュニティに参加して,お互いに助け合ってオープンソースはさらに進化していく。

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