国や地方自治体のSOHO支援のあり方

  • 2007/01/31 13:36 JST

IvySOHOは1998年の7月に立ち上げた.

できればいずれ復職したいと思いつつも退職し,パソコン通信からインターネットへと通信手段が変わるなか,1996年に子育てしながら「もじもじInput!」という幼児教育サイトを作成してYahoo!でクールマークをもらい,夏休み特集ページなどで取り上げてもらった.元々いた会社は大手の電機メーカーだったので,コンピュータ関係の業務はだまっていてもはいる仕組みで,最初は営業努力が要らなかった.会社に勤めているころから,いろいろな事業部の様々な部門とネットワークはひろかったので,スタートにつまづくことはなかった.関係する関西の大手の企業からの仕事もあった.通勤が不要なので体力的に楽で,家庭と両立させながら収入は会社にいたころの倍以上あった.

が,営業せずパソコンをつかえるだけで仕事が勝手に入る時期はすぐに終った.

そこでIvySOHOを立ち上げて,ひとりでこなしきれない大手・中小企業からのデータ入力や開発業務をメールマガジンで紹介し,そのサイトであたらしい仕事を受注できるようにした.

IvySOHOは,SOHO支援サイトとしては,比較的はやくからたちあがっていたので,老舗サイトと,書籍で紹介されたこともある.
新聞や雑誌で紹介されるたびにメンバーは増え,TVでひとこと紹介されるだけで,激増して,一時的には会員数は2万人を優に超えた.

その後,たくさんのSOHO支援サイトが立ち上がり,やがて消えていった.

パソコンやインターネットの普及でパソコンでワードやエクセルが使えるだけで仕事を請けられるという時代はすぐに終わり,少ない発注に,ただでも引き受けたいSOHO予備軍が相場を崩してしまった.
在宅ワーク勧誘のあやしい企業が増え,ありえないような広告が女性週刊誌などで堂々と紹介された.
電話でのあやしい在宅ワークの勧誘も多かった.

パソコン教室は,国の事業で無料で受けられるようになり,やがて事業の終了とともにパソコン教室が民間の手に戻ったものの,ただで受けられるイメージを残してしまった.国の思いつき施策は,民間の事業者にとっては迷惑なはなしだ.

思いつきといえば,国や地方自治体が,これからはSOHOの時代.だから受発注サイトで応援しよう!と,サイトをつくることだ.

受発注という仕組みをつくるのは簡単だが,その運営の調整をSOHOやSOHOの業務が実感としてわからない国や地方自治体が手を付けてしまってどうなるというのか.

国や地方自治体がすべき仕事は,民業圧迫ではないはずだ.
もっと法制度を含め,企業活動が円滑にいき,SOHOとしても安心して受注して,みんながしあわせに暮らせる環境を提供することではないのか.

なぜ,会社にいつづけられず,SOHOになるのか.
SOHOに仕事がいかないのはなぜか.
SOHOの相談機関はどうするのか.

それらを考えれば,やるべきことはたくさんあるだろう.

私自身,会社をやめたくてやめたわけではない.残業や出張が多く,フレックス制度があったとはいえ,家庭と両立しえない会社の勤務体制のため,物理的にやめざるをえなかった.もちろん,短い人生のなかで会社の雑多な業務に追われるだけでなく,もっとやりたいことがあったし,いずれは在宅で仕事をしたいというおぼろげな展望もあったのだが.

また,企業が退職者を退職SOHOとしてネットワーク化して,退職しても円滑に仕事ができる仕組みがあれば,優秀なSOHOを探したい企業の利益にもなるし,SOHOにならざるをえなかったSOHOワーカーにとっても,社会との繋がりをもち,ある程度の収入を得て安心してくらせることになる.

チャットやメールなどを利用して,すぐに弁護士などと相談できる仕組みを国や地方自治体が用意してくれれば,安心していろんなトラブルも相談できるだろう.

SOHOは,連携してこそ強くなれる.スキルもひろがるし,仕事もひろがる.
IvySOHO SNSは,たすけあって連携する実験的なSNSだ.
参加は招待制なので,まずはIvySOHOへ登録して招待されるのを待つしくみだ.

国や地方自治体,企業も,SOHOを意識した体制をもっと考えて欲しい.

オープンソースCMS開発のグローバル化

  • 2006/12/29 16:29 JST

海外のCMSを利用して開発する際に、どうして英語圏のソフトウェアを利用しなければならないんだ、日本生まれのCMSのほうが良いのではないか、という声もあります。

 

北東アジアOSS推進フォーラムでは「日・中・韓独自のOSSコミュニティを作るべき」といった韓国ETRIのMyung-Joon Kim氏の記事もでています。

しかしながら、このようなグローバルな時代にどこで生まれたCMSだろうと、使いやすくよい設計で、多言語で利用できて開発できるシステムであるならば、そしてわかりやすい運営がなされているのなら、どこで生まれたかはあまり意味が無い様に思います。

現在オープンソースは日本においてはオープンソースの将来性にかけて企業がサポートしているところが多く成功しているようです。全体的に見れば、一般的な企業が開発を担当する社員にオープンソースに関わらせる時間を積極的にとっているとはいえず、オープンソース開発環境や開発者へのサポート体制は十分とはいえないでしょう。そのため、有望なオープンソースを開発するグループへは開発支援などを国のレベルで支援があるとよいでしょう。開発だけでなく、セミナーの開催のサポート等も望まれます。このようなボランティアに頼った環境で日本発、アジア発はなかなか容易ではありません。日本発のオープンソースCMSもありますが、すべて企業向けにシステムを開発し、その後オープンソースになる傾向があるように思われます。

だからといって、日本を含め、アジア発のオープンソースCMSが潤沢に発生してくるようになることは望ましいことであり、否定するわけではありません。が、すでにあるプロジェクトにも参加して、そのノウハウを身に付けた上でフォークするなり、あらたな企画も可能になるのではないでしょうか。

さて、オープンソースは産地よりもコアの設計者がどういう思想で開発しているかが、実は今後のCMSの開発の行方にも影響するもっとも大事なところだろうと思います。

Geeklogは、現在はドイツ、ポーランド、フランス、アメリカ、イタリア、日本、その他様々な国の開発者が関わって開発をすすめています。コアのシステム開発は、当初からUTF-8での多言語化がすすんでおり、バイリンガルシステムもできあがりました。

多言語でUTF-8対応のため、元々各国の開発者が非常に参入しやすい環境だったのは確かだろうと思います。

Geeklogの開発思想としては、グローバル設計思想とハイセキュリティ、機能としてはSEOを相当意識した設計になっています。

世界中のあらゆる国々で利用できるCMSを、世界中の開発者とともに開発しようという意識が見受けられますし、英語が堪能でない開発者にもやさしいサポートサイトがあります。メールでコア開発者に連絡しても気さくに返事が返ってくる、そんな体制や姿勢があります。

また、セキュリティギークのために開発した、と開発者ドキュメントの最初のページに書かれているとおり、セキュリティ対策用機能であるパーミッションシステムをはじめとする機能、プラグインの自動インストール機能を開発していたにも関わらず、その簡便さをすててまでセキュリティをとる姿勢、また、本家の開発者たちの対応が迅速なのも安心してついていける要因です。

SEOに関しては、CMSにはもっとも重要な機能としてブログ機能を置き、トラックバックやRSS機能なども含めてWeb2.0に対応する情報発信機能を基本機能として持たせています。そのためページランクもすぐにあがり、驚くほど早くインデックスされます。URLリライト機能を持たせたり、記事や静的ページに自由な英数字でのIDを指定させることができるなど、特にGoogleへの対策が充実しています。

現在このCMSは、様々な言語ファイルが提供されていろいろな国で使われています。

アジア圏では、日本語、中国語などは提供されていますが、韓国語の提供がまだありません。提供されている言語ファイルを韓国語に翻訳するだけで韓国語版CMSができあがります。翻訳するファイルは大きくはひとつだけです。他、プラグイン毎に言語ファイルがあるのでいくつか翻訳する必要がありますが。

ぜひ韓国からの参加も期待しています。

美しいテーマはスタイルシートまでも美しい

  • 2006/12/07 01:34 JST

コンテンツマネジメントシステムのよいところは、テンプレートを指定することで、全体のデザインが自動的に決められるところです。コンテンツは厳然とデータベースに入っていて、その見栄えはテンプレートで決まります。

どんなコンテンツも、どういうテンプレートで表現されるかで、随分と印象が変わるものです。

ひとつのCMSは複数のテンプレートでサイトが生成されますが、そのテンプレートの集合体をテーマと呼んでいます。

汎用CMSであれば、テーマを各人の好みに合わせて自由に選んだり、各種の障碍に応じて読み上げソフトに対応したテーマを、閲覧状況によっては携帯用のテーマを、といったふうに、様々なテーマでサイトを閲覧することができます。

一般的に、テーマは様々なサイトからダウンロードできます。ユーザは好きなテーマをダンロードしてカスタマイズするだけです。

これまでに、いろいろとカスタマイズしやすいテーマを試行錯誤で作成してきましたが、とびっきりのテーマが誕生しました。全体のスタイルシートの設計がしっかりとして、あらゆるブラウザへの対応が考えられて、非常に美しいGeeklogのテーマです。

Exgeeklogjapanese_geek_and_logloo150その、たいへん美しいテーマを生み出したのは、Phizeさん(Phize on the Web)です。

Phizeさんが作成した「ProfessionalCSS」というテーマをベースにオージェさんがおなじくCSSの「MODx」もどきのテーマ「DOOMOx」を作成し、それをベースにこちらでビジネス利用に耐えるテーマを目的に、テーマ「Geek_and_Loggloo」を作成しました。

すでにベースができあがっていたので、タイトル画像とタイトル背景画像、背景の画像を差し替えるだけですから、作業時間は1時間あまりであたらしいテーマができあがったわけです。

これまでにテーマでこれほどの感動を覚えたことはありません。このテーマはどんなに長時間見ていても飽きません。みればみるほど惹かれるテーマ。

細部まで細心の注意が払われているので、いろんなメニューをクリックするごとに味わいが深くなります。

どうしてここまで惹かれるのか・・・それはもうテーマ開発者の技術力の高さなのだろうとおもいます。それはもう芸術的というべきところまで昇華しているようにも思えます。

美しいテーマは、スタイルシートまでも美しい。ファイルを覗いてみると、圧倒されます。

SNSの日記やコミュニティでの発言から、ひとつひとつ不要なものを切り捨てて、一から理想的なテーマを生み出していった過程が手に取るようにわかっているのもうれしいことです。

Geeklogのソースからも一部HTMLが直接書き出されているので現状のサイトが完璧とはいきませんが、それはテーマのせいではありません。

テーマの美しさに圧倒されます。しばらくその美しさに酔いしれて・・・

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