大学がオープンソースに貢献する

  • 2008/03/30 15:38 JST

今年にはいって京都大学東南アジア研究所から積極的に公開を前提としたGeeklog開発費用を提供していただくようになった。

すでに記事管理画面の機能アップを開発して,ダウンロードセクションで公開している。GoogleMapsAPIをもっと高機能なものを記事内で簡単に利用するアドオンも現在開発されようとしている。

これまで,参加している開発者の善意で日本語で配布する際に便利なプラグインやハックを無償提供されて,使いやすく便利なGeeklogに育ってきている。

テーマエディタプラグインはmystral-kkさん,コンフィギュレーションエディタプラグインはnmoxさん,携帯ハックはim-ltdさん,OpenPNEシングルサインオンはTsuchiさんというふうに。また,Zen CARTプラグイン「Zen CART on Geeklog」は弊社アイビー・ウィーが開発費用の半分をkinoさんに提供して開発,公開した。さらに,ここでは紹介しきれないほどのアドオンが開発され,公開されている。

開発者たちは,お互いに公開しあうことで,お互いの利益になることを知っているので,オープンソースの活動は自然に活発化するのだが,デザイナーの場合は,公開しあうことでお互いにメリットになる経験をあまりしてこなかった。PCやWEB制作に関する情報交換では若干あるのかもしれないが,そういう文化がないので,オープンソースに積極的に参加するきっかけは少ない。それでも,CMSのオープンソースでは,他のソフトウェアに比べてデザイナーの参加比率は高い。デザイナーもさらに高機能で付加価値を提供できるCMSを自身で設置提供できるようになるし,オープンソースの活動に参加することで開発者と連携しやすくなり,ネットワークを広げて大きなプロジェクトを運営できるようになるメリットがあるからだ。

企業も,なぜソフトウェアが無償で手に入るのか,その背景を理解し,利用するからにはかならず貢献する姿勢がほしい。貢献した開発成果物に,企業の名前を明記して配布することにより,企業のステータスは上がる。少なくともオープンソース開発者の仲間うちでは,確実に好感をもたれることは間違いない。

たとえ公開した成果物が,ライバル企業に利用されることになったとしても良いではないか。ライバル企業がさらに開発して,その成果物はいつか自分たちが享受することになっていくのだから。

京都大学の一研究機関のオープンソースへの取り組みに対し,他の大学や各種研究機関,企業も続いてほしいものだ。

商品検索システムならGeeklogで

  • 2008/03/16 23:26 JST

WEBで商品を検索して表示するシステムで,検索に時間がかかったり,システムの運用管理で,直感的な操作ができなかったりして困ることは無いだろうか。

商品検索システムを構築するなら,Geeklogをベースに開発するとよい。カスタマイズ部分だけを開発するため,工数を圧縮しながら高機能なコンテンツ管理システムを提供できる。しかも,軽い。


商品DBをGeeklogのテーブル内に追加して商品ページを生成。
Zen CARTプラグインも活用するECサイト。(Della club

Geeklogを活用することで,文字コードはUTF-8で,多言語切り替えにも対応し,携帯からの閲覧まで可能だ。

検索やソートのための関数ライブラリや,DBを扱うための関数ライブラリが最初からついてくるので,開発工数を最小限に抑えながらも完成度の高いものが可能だ。

Geeklogは,非常にコンパクトなCMSで,以下10個の管理機能だけで構成されている。

  1. 投稿の承認管理
  2. 記事管理(ブログ機能)
  3. カテゴリ管理(ブログ機能)
  4. ユーザ管理
  5. グループ管理
  6. ブロック管理(レイアウト管理)
  7. メール管理(メールマガジンも)
  8. RSS管理(ブログ機能)
  9. トラックバック管理(ブログ機能)
  10. プラグイン管理(機能を拡張するための管理)

これ以外に,静的ページの作成や,リンク,ダウンロード,カレンダ,と多数機能があるが,すべてプラグイン化されているので取り外し可能だ。必要なプラグインは,すでに配布されているものをダウンロードするか,あるいは,プラグイン開発キットをダウンロードして開発して追加するだけだ。

Geeklogは,ブログ機能をコアに持った汎用CMSとしてスタートしている。最初からデータベースを自由に操ってページを作成するための設計になっているので無理なく開発が可能だ。

納入条件に「オープンソース」を追加しよう

  • 2008/03/16 04:19 JST

納入条件にこれからは「オープンソースであること」を追加することを導入側へ提案したい。

ユーザビリティなどを細かく規定している場合などがあるが,そんなことより何よりこれからは運用メンテナンスが自分でできてすばやい更新が可能なCMSを導入するのが最適で,そのCMSはオープンソースの中から目的に応じて選んで導入すると良い。ユーザビリティ対応やSEOも,CMSにすれば最初から用意されている場合も多い。

オープンソースを導入すれば,ベンダー・ロックインから開放される。開発した企業が組織を解体しても,ソースが公開されていることでなんとかメンテナンスできる。不具合や改善のための開発を別の企業に委託して修正することも可能だ。

国や地方公共団体,大企業がこぞってこの条件を打ち立てるようになれば,今,一番のネックになっている大手の商用CMSで展開しているベンダーを動かすことになる。大手がオープンソースになれば,雪崩をうって,中小企業もオープンソースになるだろう。それが狙いだ。これでSOHOが関わるオープンソースの出番が出てくる。

納入条件にオープンソースを指定することに成功しているのはヨーロッパだという。

ヨーロッパでなぜオープンソースが盛んなのかもわかるというものだ。アンチアメリカ,アンチマイクロソフトで動けば自然にオープンソースになる。マイクロソフトのひとり勝ち にしないために,アメリカのひとり勝ちにしないためにも,国内の大手ベンダーのひとり勝ちにさせないためにも,国内のIT産業,IT系のSOHOが活躍できるためにも,オープンソースを条件にしてほしい。

また企業の豊富な資金力でオープンソースを育てていく姿勢が欲しい。

オープンソースを条件に入れることは,導入企業の利益に直結する。ベンダー・ロックインを狙って高くて使いにくいCMSを提供し続ける企業があるとしたら,そういう企業を締め出す良い条件になるだろう。

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