Geeklogが支持される理由

  • 2007/11/02 20:01 JST

汎用CMSのオープンソース Geeklogに出会って,その便利さ,性能の良さ,本家や日本の開発者たちとの交流のたのしさ等々,Geeklogには大変助けられているし,商材としてもその能力を十二分に発揮している 。

そのため,もっと多くの人に使ってもらいたいし,その恩恵を受けて欲しいと思って, このブログをはじめたわけだが,きょうはもっとストレートに述べたい。

GeeklogはUTF-8対応で,しかも携帯にも対応しており,多くのオープンソースのコミュニティでも比較的よく使われている汎用CMSだ。

Geeklogがなぜここまで支持されるのかは,汎用CMSの基本的な機能の他に,たくさんのアドバンテージがあるからだ。

どんなアドバンテージがあるのか…。

汎用CMSなので,ブログ機能やメールマガジン機能,イベント・リンク・記事投稿機能等が最初から整って,ホームページの管理運営が非常に楽になるのだが,それだけではない。

数ある汎用CMSの中で,Geeklogはおそらく唯一標準で携帯での閲覧が可能なCMSだ。プラグインを追加しても,基本的にすべてのプラグインで携帯対応になる。3G携帯とそうでない携帯も認識して見栄え(テーマ)を変更できる。ログインして,編集したり,投稿したりすることまで可能だ。

また,ProfessionalCSSという,CSS2で最初から書き上げた美しいテーマが提供されたことも大きい。

これらはGeeklog日本ユーザ会である,Geeklog Japaneseのメンバーの開発によるものだ。

元々,汎用CMSなので拡張機能があるのは当然なのだが,プラグイン(モジュール)を追加して機能アップする機能だけでなく,数々の拡張システムが揃って,カスタマイズするための開発の敷居が低い。特に,カスタム関数のしくみは秀逸だ。カスタム関数とは,本体で使われている接頭子COM_関数に対して,ユーザによってカスタマイズしたい関数は,あらかじめCUSTOM_関数が既定されていて,もしカスタム関数が定義されていれば,本体のCOM_関数ではなく,ユーザが定義したCUSTOM_関数があればそれを優先して実行するというものだ。カスタム関数は,/system/custom/という特定のフォルダにアップするので,本体をアップデートしたり,セキュリティメンテナンスで緊急に本体のソースファイルを上書きしたい場合も,躊躇することなくアップデートできるというわけだ。セキュリティ対応やアップデート・アップグレードの際の対応を最初から考えたしくみはありがたい。

また,Geeklogはドイツ人をはじめ,非常に多国籍なコア開発者に支持されて開発されてきたために,早くからUTF-8対応を実現してきた。

ブログがコア機能としてGeeklogに備わっているのは,GeeklogのGoogle対策をかなり意識したもので,RSS配信やトラックバック等だけではなく,URLリライト機能などもあってSEO対策は万全だ。

Geeklogは,大阪拠点だったIvy SOHOがSOHO向けにSEOセミナーを開くなかで出合った。SOHOが使う,あるいはそれを商材にするには,運用しやすいCMSでなければならない。 Geeklogの管理画面は非常に直感的な画面遷移で編集できることに感動して,Geeklogに決めた。

Geeklogはその機能により,出合った開発者たちの支持をあつめてサポートサイトは非常に親切できめ細かなサポートが行われている。SNSでは,毎日膨大な書き込みで日々新たな話題,開発で盛り上がっている。

来週は大阪で関西オープンソース2007が開かれるが,広島から泊りがけでやってくるGeeklog開発者もいるほど,特に関西・大阪でのGeeklogイベントは毎回熱い!

大阪で開いたオフ会やセミナーに,福岡や神奈川など,毎回遠くからかけつけてもらって,お昼の2時からはじまって2次会・3次会で夜の9時までということもめずらしくなく,それでも話がいつまでたっても尽きずたのしい会だ。

3月,技術評論社からGeeklog導入ガイドを出版したが,東京より大阪の紀伊国屋での売り上げが高いほど,大阪でのGeeklog熱が高い。

今年5月,自宅も会社も拠点を東京へ移して,11月1日は日本SOHO協会SOHO DAY 2007 記念シンポジウムで「オープンソースはSOHOの未来を拓く」をテーマに,基調講演やパネルディスカッションを企画し,パネルディスカッションではコーディネータも務めた。全国からSOHO支援団体やリーダもあつまり,オープンソースで有名なリーダたちにパネリストをお願いした。

オープンソースはクチコミだとすぐに広まるが,今回Geeklogの良さを知ってもらったことでまた広がるだろう。日本SOHO協会のホームページも既にGeeklogでリニューアルしており,シンポジウムのプレゼンテーションファイルもアップロードしている。OpenPNEで日本SOHO協会の SNSも開設したので,さらに交流も深まり連携できるのが楽しみだ。

さらに11月16日~17日は三鷹で第10回SOHOフェスタで,17日にビジネス対談「オープンソースと未来事業」が開かれ,三鷹市企画部情報推進室長と対談する。

Geeklogの良さは,たのしくもりあがるコミュニティにもっとも現われている。Geeklogが良いから様々なレベルでの参加者がおのおのフィードバックをしようという気概にあふれ,サポート掲示板はひとつの質問に3つも4つも回答がつくことがめずらしくない。高いスキルの開発者も集まる。デザイナーも,翻訳ができるひとも…。使って便利。使ってたのしい。だからフィードバックする。そのうち開発しやすいしくみのGeeklogだから開発したくなる。開発をフィードバックをする。コミュニティで多くの発言をおこなって連携ができてますますたのしい。そんな連鎖が生まれているようだ。

デモサイトで簡単に試すことができるが,まずはダウンロードして使ってみて欲しい。

業務日誌はSNS活用で効率アップ

  • 2007/10/28 04:03 JST

社内の業務日誌をエクセルなどで作成して,メールに添付して回覧する会社があるようだ。
随分非効率なことをしているものだ。
メールに添付されたファイルを開ける確率は,非常に低い。
本当に読んで欲しいのなら,メールにファイルを添付するものではない。

メーリングリストも,メールを無駄に増やしてしまい,重要なメールを見落としてしまうことにもなりかねない。
どの話題に対する返信だったのか,とか,投稿者の自己紹介のメールはどれだったかなど,メールとメールの連結は至難の業だ。
いまだにメーリングリストを活用しているとしたら,早々にSNSに移行することを検討した方が良い。

メールの作法について坂本多聞さんのブログで話題にあがっていたが,ビジネスメールであれば住所や電話番号,ホームページアドレスなど通常の署名は常に掲載しておいた方が良いと思う。

差出人の自己紹介メールが最初のころにあったかもしれないが,必要になったときにいちいちそんな古いメールを探すのは面倒だ。メールとメールの連携はなかなかメーラでできるものではないので,毎回掲載しておいたほうが親切だ。

メールの場合,できるだけ完結に,は理想だが,ビジネスメールの場合,どうしても毎回挨拶文や署名など冗長な表現になって形式ばる。

メールを読んだのかどうなのか,いつチェックしたのかもまったくわからない。

ところがSNSなら,非常に簡潔にメッセージの形で伝えることができる。冗長な挨拶文抜きで気軽に返信ができるのでリアルタイムなコミュニケーションが生まれる。また,相手がいつごろSNSにログインしたか表示されるので安心だ。
お互いにプロフィールをきちんと掲載しておけば,毎回メッセージに署名をつける必要も無い。

SNSならメッセージだけではなく,コミュニティを誰でも作成して,コミュニティの中で,だれでもスレッドをたてて,その話題に対して,どんどんレスを付けていくことができるので,話題の一貫性が保てて安心だ。

業務日誌は,エクセルやグループウェアを廃止して社内SNSにしたら良い。携帯からすぐに投稿してリアルタイムに伝えられる。

アイビー・ウィーは,実質たった3人で動かす会社だが,3人だけのSNSを立ち上げて,実に有効に機能している。

東京・大阪・新潟にいる3人が,このSNSで24時間会話して,何十ものプロジェクトを運営している。出先でも携帯からアクセスできる。

メールでは本音を書きにくいものだ。エクセルの報告書ならなおさら書けないはずだ。

それが,SNSの日記だと本音が書けるし,なにか新しい発見につながるヒントもポロっと書ける。他人の日記をみてヒントをもらうことも多いだろう。あるいは業務日誌に何かを書き込む場合,かなり外面よく良いことばかりをかいたりしがちだが,SNSでリアルタイムにこまめに書き込むことで良いこと悪いこと,うれしいこと困っていることが書かれるはずだ。

オープンソースのGeeklog日本語版の開発では,何百人ものメンバーがSNSで集まって情報交換を行い,意思疎通をはかっている。メーリングリストや掲示板だけを使ったコミュニケーションでは,ここまでスムーズにはいかなかっただろうが,実にたのしく交流できてたくさんの成果をあげている。

フラットな人間関係でリアルタイムな情報交換ができるSNSをつかったコミュニケーションが行える会社は,きっと風通しもよいはずだ。

大阪復権の鍵は

  • 2007/10/20 01:35 JST

大阪人は東京とよく比べたがるが,東京以外はすべて地方だ,というのは大方の見方だろう。東京人は少なくともそう思っている。大阪から東京へ移って,正直に感じたのは東京には梅田が何個もある,という規模の違いだった。

大阪はすでに地方になっているのだから,地方なりの生き方をしていかなければならないのに,旧勢力が幅を利かせて若い人に実権を渡さず,あたらしい技術を取り入れない。旧勢力の老人たちは,いまだに古きよき浪花の時代を顧みて,コンピュータなんて,インターネットなんて,と拒否反応ばかりが目立つ。

その中にある若い世代が,なんとかあたらしい技術を!と踏み出そうとしても若い世代に決裁権が渡されていないので,最後にあきらめざるをえなくなる。

大阪にいたころ,そういった若い世代からネットで検索されて相談を受けて対応したことが何度もあったが,なかなか実らなかった。

大阪市など,組合組織が頑固で,人員削減につながるからと,なかなかコンピュータ化が進まないなど,古きよき時代の逆の遺産が組織を蝕み,大阪自体を蝕んだのも大きいだろう。大阪市の窓口職員の全員がそうだとは言わないが,窓口へやってきた住民に対して,お客様だという認識を職員のひとりひとりがどれほどもっているのだろう。他の都市部へ転出してはじめてそれを痛感する。

大阪市へのグチはそれに留めるとして,大阪のSOHOは,大阪では紹介からの仕事は成り立つが,新規では受け入れてもらえないので,いかに東京の顧客を持てるか,で成功するかどうかが決まる,と当時本気で思った。実際,東京へ商談で行けば,確実に実ったものだ。ところが大阪では紹介客は確実なのだが,新規顧客はアポイントを顧客側から取ってきたにもかかわらず,時間をかけて説明してもほとんど成約しないからだ。

つまり,大阪では紹介でしか仕事ができないビジネス形態が常態化している,ということだ。これではあたらしいビジネスをはじめたり,あたらしい技術をとりいれたりするのに遅れを取るのは必至だ。

あたらしい技術はたいていネットで検索して直接アポイントをとって,取り入れていくものなのに,それをしないで知り合いだけを頼る。

結果,WEB制作にしても,SEO対策にしても知り合いの中から発注先を探すことになるので,往々にして良い仕事をしてもらえない。結果,WEB制作もSEOもやってみたけどだめだった,ということで消極的になったり懐疑的になっていくのは残念でならない。

大阪でIT企業が育たないのはそういう理由もあるだろう。大阪は厳しいビジネス環境なので大阪で全国エリア相手で仕事ができるというのはよほど高いスキルがあって成功しているともいえるわけで,そういった企業が東京へ出て行ってたいていすんなり成功しているのもうなづける。

大阪は,若い人をもっと大事にして育てることだと思う。

大阪新年互例会に2年続けて参加したが,国会議員や府・市会議員たちも参加してマスコミも加わってにぎやかではあるものの,ご老人ばかりで,あとは新地のママさんたちが花を添えるというような状態だった。どうして会社の若手を参加させないんだろうとはがゆく思う。名刺交換をしようとこれはという風采のひとに声をかけたが,みんなマスコミのひとたちだった。一般に参加しているひとたちで,これを機会に新しい人と出会ってなにかしようという意気込みのひとには残念ながらひとりも出会わなかった。

だが,一方でわたしは古きよき時代をつくった旧世代のよき文化が好きだし,大阪の「のり」が好きだ。セミナーを開催しても,東京よりずっと大阪のほうが盛り上がってたのしい。セミナーを開きつつ,いろいろなつっこみをいただくので漫談をさせられているような感じになる。

セミナーに参加しているひとたちは,オープンソースを活用したい,あるいはSOHOとして独立したいと思っている意欲のある若手だ。彼らが元気になる街になってほしい。決して彼らからグチを聞きたくない。

大阪が元気になるためには,大阪だけで固まらず,ネットワークを全国規模で広げて,知り合いだけに頼らないことだ。ネットで一気に範囲をひろげて良いものを取り入れる。そういう先進のこころを取り戻すことだ。そして若い人に実権を移す。そうして若い人が元気になればきっと大阪も元気になるはずだ。

そして,意欲を持っている若い人たちは,オープンソース活動に参加してみると良い。そこは活気があふれて,ネットワークは全国を超えて,世界だ。ボランティア精神あふれて,スキルを磨く場としてもっともふさわしい。仕事をすればするだけ評価され,それが次世代へと活かされる。ビジネスへの展開も自由だ。

目先の利益にこだわらず,万人の利益を考えることが大事だ。

大きな視野にたったビジネス,将来を見据えた企業運営を期待している。その前に大阪市の大改革が必要だと思うが。

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